〜65歳からの挑戦(25)〜  2013.6.8

「津波」―2012.5.22(火)晴れ―

ここに来てからほとんど晴れだ。
しかも私が目を覚ましている間はほとんど明るい。
10時過ぎに暗くなり、
朝は4時過ぎには明るくなる。
今の季節が一番良いのかと思う。

今日「震災と津波」という題で作文を書いて行くと
エミリ−先生が皆の前で読むように言われる。
「ええー?」でも
「I’ll try」と読んだ。
すると、それを聞いた隣の(昨日から日本淳新入生)が泣いている。
自分が宮城に行った経験を話そうとして声をつまらせた。

後で、校舎の裏に呼んで二人で日本語で話す。
クラスの中では英語しか使えない。
とても英語で彼の気持ちをfollowは出来ない。

「ここに来て、日本での震災の事は
みんな話さないし、何も知らない。
年配の人が『大変だったね』と言う位で、
若い人達からは誰にも聞かれもしない。
忘れられているようで辛い。」

「私も少しでも皆に知ってもらいたくて話した…
貴方には私の作文は辛かったですね」

「ぼくもここに来て、それでも何人か
まじめな年配の人が多くて聞かれるが、
みんな笑顔で聞いてくるので、
自分の心が整理出来ないでいた。
自分の人生観が変わったからここに来た。」

「貴方のような日本の若者に会えてうれしい。
時間がかかるけど、外側から日本を観ましょう。
そして何が今できるかを考えましょう」と言い合った。
つづく・・・



つづく・・・

                     淳子記

 


便風とは
「びんぷう」と読みます。
意味は、「(1)追い風。順風。(2)便り。手紙。音信」を表します。
大辞林(国語辞典)