〜喫茶去〜  2011.3.10
最近、爽風のメ−ル上で「喫茶去」の言葉の意味について
何度かやり取りがありました。

皆様ご存じのように、これはもともとは禅の言葉であり、
茶道の中でも使われて行きました。

約1200年前、奈良時代に遣唐使や中国から
来朝した僧侶などによって喫茶の風習が日本に伝えられました。
その頃の茶は「団茶」であったと言われています。
その後平安時代、伝教大師が帰朝の際に
茶の実を携え帰り、
近江国(滋賀県)にこれを植えたのが始まりとされています。
当時は限られた特権範囲の人だけが飲み、
一般庶民階級とは凡そ無縁のものでした。
その後栄西禅師が宋から帰国する時
筑前国(福岡県)に茶の実を植え
京都の高山寺の明恵上人に茶の実を贈りました。
明恵は上手く茶の試植に成功し、
その後全国各地に移植され今日の茶の礎となりました。
もともとは薬として高価な飲み物でしたが
室町時代ごろには一般にも普及していきました。

このようにお茶自体も時代とともに変わって来ました。
今は「日常茶飯事」という言葉の中にも「茶」が出てきます。
「喫茶去」の意味もそれにつれて変わってきました。
「お茶でも召し上がれ・・・」ほどの意味でしょう。

「深く入って浅く出る」。

淡々とこだわることなくふるまい、日常茶飯事にお茶を飲み
当たり前の日常を過ごして行きなさいと
いうことではないでしょうか。
                     淳子記




便風とは
「びんぷう」と読みます。
意味は、「(1)追い風。順風。(2)便り。手紙。音信」を表します。
大辞林(国語辞典)